幻が視る固定未来
玄武の対となるのは霊亀。そして青龍の対は黄龍。
対である霊亀ならば今の灼蜘に勝ち目はない。
だけど黄龍でも灼蜘は絶対に勝てない。お父さんの話では黄龍は守護四神に対抗する武器“護封剣”というものがある。
しかし護封剣は守護四神専用。故に私には効力はない。相手が霊亀だった場合、覚悟を決めざるをえない。灼蜘がいなくなるよりはまし。

――しかし、守護四霊がこの現代にいるのはおかしい。死神は確かに封印されている。解けてはいない。

死神なしで守護四霊は動けないはず。どうやって現れた?
お母さんが言っていた、前回の死神と生神の戦いにおいて、知ることの出来なかった、守護四神個人の戦いに何かあったとしか言いようがない。

とりあえず、今は一秒でも早く目的地に向かう。
もしかしたら灼蜘がこの霊素に気がついてしまうかもしれない。
ひょっとすれば灼蜘の言っていた違和感とはこのことだったのかもしれない。最初から何か予期していた、流石は最強の玄武と言われた人の血を引いているだけある。

……余計な思考は停止。
もうすぐ着く。
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