幻が視る固定未来
――その積み重ねとなった今日、オレが勉強を教えているのは芳原一人ではない。

「幻視君、ここの問題どうしても解けなったの。教えて」
「何が解けなかったのかまず教えてくれ」

今、このクラスでは分からない問題(宿題)があれば幻視に聞こう。という法則が出来たらしい。
そのおかげでオレは“近寄るなオーラ”を出すことが出来ないくらい忙しい。

たしかにこんな中学の問題なら数倍以上は理解しているし、先生とは違って同じクラスメイトとしての視線で考えられる分、オレはこのクラスの先生以上の存在となっている。
はぁ、溜息しか出ない。全く。
そんな風に思いながらもオレは聞かれたことは全て教えている。
もちろんその中には、常連にして初代の教え子である芳原がいる。
最近では勉強以外にも少しづつだけど話している。どれも下らない話なんだけど。

そうして今日もオレは一日中クラスメイトの聞いてくる問題を答えて下校した。
全く、先生たちには少し宿題を減らして欲しい。それが無理ならせめてもっと分かりやすい問題を作れ。
そうすればオレの負担が減るから。
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