幻が視る固定未来
オレが玄武としての象徴は正しくこの幻視の力、恐らくそれ以外は何もないだろう。だからこそ母上も助歌も幻視の力にだけは力を入れてる。

これを極めるこそ真の玄武。

きっと母上は言うだろうし、今までのことから間違いない。
――と、改めて幻視の力の重要性を理解して、体術の訓練をする。


今日は弓道。
他にあるのかと聞かれると、剣術、槍術、武術などなどある。ちなみにこの剣術には限りないほどの種類が存在するし、武術に関してはもう数えきれないほどだ。けど、要は武器を持たない戦術のことなんだけど。

普通の守護四神は得意体術があり、玄武は言うまでもないけど弓。朱雀で槍、青龍で剣、白虎で武術となっている。
この得意体術以外は使える必要はなく、その得意体術を極めることが最優先なのだが、オレは全ての系統を訓練している。
もちろん玄武なんだから弓を鍛えればいい。けど他のことを鍛えるのには理由がある。

その理由は父である。父は玄武でありながら弓以外にも全ての系統の体術を使いこなしていたらしい。もって生まれた天武の才、それを父は持っていた。
つまりは言うまでもない。父も持っていたから子であるオレにも期待しているということ。

……正直、弓以外はほとんど使いこなすではなく、知っている程度。期待に添えられるような実力は持っていない。
どうやらオレには天武の才はないようだ。まぁ最初から分かっていたことなんだけど。

だからオレは唯一の才能である弓を極めたい。
そんな決意からほとんどは弓の訓練のみ。だから今日もオレは的を射抜いている。

この訓練についてはやはり有希乃は知らない。けどこれは別に隠すつもりもない訓練だから罪悪感はない。
見られてもただの趣味とでも言えば納得できるだろうし。
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