恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
『休憩は、いつも一人で取りたいらしく、誰も寄せつけないし、飲み会にも参加しないの』
真面目すぎるのか……面倒臭そうなひとだな。
「そんな堅物のどこが好きなのよ」
『外見と実家のお金』
「……単純明快で助かる。どうもありがとう」
つきあってられるか。
電話を切ってやろうとした瞬間、大きな声が向こうから聞こえてきた。
『頼んだわよーっ』
そんなに必死なら、自分で何とかしなさいよ。
ほんと、どいつもこいつも……。
返事をせずに終話し、スマホをバッグにしまった。
さあ、今日は大事な説明会初日。
わがままなお姫様と無愛想な変人にはかまわず、ちゃんと仕事しようっと。
「行ってきまーす」
居間の前で挨拶をすると。
「行ってらっしゃーい」
と、私に似合わないキラキラネームを付けた憎き平凡な母親が、気の抜けた返事をした。