恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~

『休憩は、いつも一人で取りたいらしく、誰も寄せつけないし、飲み会にも参加しないの』


真面目すぎるのか……面倒臭そうなひとだな。


「そんな堅物のどこが好きなのよ」

『外見と実家のお金』

「……単純明快で助かる。どうもありがとう」


つきあってられるか。

電話を切ってやろうとした瞬間、大きな声が向こうから聞こえてきた。


『頼んだわよーっ』


そんなに必死なら、自分で何とかしなさいよ。

ほんと、どいつもこいつも……。

返事をせずに終話し、スマホをバッグにしまった。

さあ、今日は大事な説明会初日。

わがままなお姫様と無愛想な変人にはかまわず、ちゃんと仕事しようっと。


「行ってきまーす」


居間の前で挨拶をすると。


「行ってらっしゃーい」


と、私に似合わないキラキラネームを付けた憎き平凡な母親が、気の抜けた返事をした。


< 22 / 286 >

この作品をシェア

pagetop