最強偽善の人造兵器〈アンドロイド〉
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「っう!」
彼女の剣を振り払い様、僕は自分の双頭槍を彼女の頭に叩きつける。
「っく!なにこれ……重い」
当然だ。
僕の双頭槍はそこらへんの代物じゃない。
それに僕の立場上で双頭槍を使う人は少ない。
初の受けなんだろう。
重い双頭槍にじりじりと押される彼女
「この槍……しかも2つの頭を……!」
「気付くのが遅いですよ」
「え?……あうっ!」
彼女の剣を双頭槍で振り上げる。
その反動で彼女に隙が出来る。
ーーー貰った!
僕は双頭槍で彼女の喉元に向かって突く。
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「……」
「……無駄な殺傷は避けたいんです」
僕が突いた双頭槍が彼女の喉元で止まっている。
いや……意図的にギリギリまで止めた。
じゃないと本当に死んでしまうから。
「僕はあなたと戦う気なんてないんです」
双頭槍を向けて言葉を言いつつ、はやく退いてくれと願う僕の心の声でもある。
傷つけ合うのは嫌だから。
「はいはい。そこまでにしなさい」
手拍子と共に女の人の声でそちらに向く。
……この人は。
紫色の髪に赤と黒のオッドアイ。
細身の体に垂れ目。
誰なのか、当然分からない。
「なにしてるの?早く武器を下げなさい」
武器?……あ。
「すいません。これは失礼しました」