地味な私が恋したヒト

彼女の存在



それからどうやって家まで帰ったのかはわからない。


でも気づいたら家に着いてて、気づいたら自分の部屋まで来てて。


お母さんの“おかえり”っていう言葉にもまともに返せてなかった気がする。


自分の部屋で1人で考えてみる。


さっきの、桜井くんのことを。


あの子、可愛かったな……。


桜井くんと隣に並んでても釣り合ってるし、全然違和感なんてなくて。


やっぱり桜井くんの隣にはああゆう子がふさわしいんだよ。


私なんかじゃだめなんだよ。


って必死に自分に言い聞かせる。


だけど、私はどうしても“桜井くんが好き”って思っちゃうし、他の女の子を見ないでって思っちゃう。


本当の彼女でもないのにこんなこと思うなんて重すぎるよ……。


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