嫌い、のち好き、のち愛
大智と大翔

やっぱりそういうことになってんじゃないですか」


月曜日、大智の顔を見た大翔は満面の笑顔でそう言った。


「……大翔くん、おはようは」


一方、大智は嫌そうな顔で呆れたようにそう言う。


「あ、おはようございます。ね、大智さん、やっぱりそうなってたんじゃないですか。俺の勘すごくないですか?」


「いや、お前がああ言った時はまだどうにも……半分くらいしかなってなかったし」


体の関係はなかったが付き合っている、というより結婚しているも同然の暮らしをしていた大智はそう答える。


「でも、よかったですね。雨沢さんとそうなれて。大智さん変わりましたしね。たすきも驚いてましたよ」


最愛の彼女の名前を呼ぶときに無意識に甘くなる声に、大翔は気付いていない。


顔も緩みっぱなしだ。


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