嫌い、のち好き、のち愛

「ぶふっ、やっぱり大智さん変わりましたね」


「……かもな。大翔にそんなに早く決めちゃっていいのかって言ったくせに、俺も決めちゃったし」


主語がないので大翔は少し考え込んでいたが、やがてはっと目を見開いた。


「え。まじですか、大智さん。雨沢さんと結婚するんですか?」


「する。今月中にはあっちの両親に挨拶に行く」


大智のその言葉に大翔は驚いて目をこれでもかと見開いて、よろめいてロッカーに背中をぶつけた。


「ま、まじ……それはびっくりです」


「うん、俺もびっくり」


そう言う大智を大翔はまじまじと見つめていたが、ふっと微笑んだ。



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