殺人事件と雪ウサギ
「ちょっと鱧煮ぃ!
 アンタなんであんなやつら相手に逃げたりなんかしちゃってんのよ?」

 横を見ると夏憐が僕にピッタリくっついて、ふわふわ飛んで着いてきていた。

「あ、あの子達の仲間を……踏み潰し……ちゃって……っ」

 走りながらしゃべって、冷たい空気を思い切り吸い込んで、喉が切れるように痛む。

「じゃなくて何で人間様がウサギなんかにびびってんのかって訊いてんの!
 あれくらい蹴散らしちゃいなさいよ!」

「ダメ……ムリ……」

 雪に足を取られて転んでしまった僕の上に、木の上から落ちてきた雪がドサリと覆いかぶさった。
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