窓ぎわの晴太くん



「いらっしゃ~い」


駅の裏通りに小さな雑居ビルが並んでいる一角があり、そこに晴太の友達のエクステの店はあった。
ビルの小さな入口を入るとすぐの場所だった。

晴太の肩にもたれて入ってきた里子を見て、安西夏子はちょっと笑ってしまった。


「具合でも悪いの?」


夏子は心配そうに里子を見ながら晴太に聞いた。


「いえ、もう、大丈夫です。
晴太さん、すみません。
ご迷惑をおかけして・・・

あの、エクステもやれます。
いえ、やります」


夏子は失礼だとは思ったが、思いっきり笑ってしまった。

学生の頃の晴太の彼女は何度か見た事はあるが、このタイプは初めてかもしれない。
なんか面白そう・・・


「ののちゃん、紹介するね。
この人は安西夏子さんっていって、ここのお店のオーナー兼従業員。
エクステはもちろんネイルもやるんだよな?」



「そう」


晴太と夏子は二人で顔を見合わせて微笑んだ。
里子はズキズキするおでこを抑えながら、知らぬ間に手を上げていた。


「ののちゃん、何?」



「あの・・・
二人は、恋人同士なのでしょうか??」








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