窓ぎわの晴太くん



「残念ながら知りません・・・

でも、あなたの話を聞いたらおばあさまの特徴はあなたの特徴と一緒だもの。
考えれば誰でも分かります」



「・・・そうですか」



「じゃ、おばあさまはきっと若い頃は綺麗な人だったのね。
あなたを見てたら分かるわ」


今度は晴太が微笑んだ。


「祖母が言ってました。
僕の母も一人っ子ででも母は祖父にそっくりだった。
祖父と祖父にそっくりな母が二人でいるのを見ると、自分が仲間外れになったような気分になって悲しかったって」


美津子は声を出して笑った。


「本当に可愛らしい方ね。
じゃ、自分にそっくりな孫が生まれて本当に嬉しかったでしょうね」


晴太の頭の中はいつのまにか祖母の思い出でいっぱいだった。
祖母の笑顔や祖母の優しい声が懐かしい子供の頃の記憶と一緒に晴太に呼びかける。


「祖母の家は僕の写真だらけでした。
僕も一人っ子だったので僕は祖父母にとってはたった一人の孫で・・・

小学生の頃は授業参観にも祖母は母と一緒に来てました。
僕が張り切って発表をするとそれだけでハンカチで涙を拭うような可笑しな人でした」


美津子とさおりは楽しそうに笑っている。


晴太はそんな祖母の話をするたびに不思議と里子の事を思い出していた。


やっぱり二人は似てるよな・・・




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