窓ぎわの晴太くん



晴太はバスタオルで里子の髪をふき始めた。


「晴太さん、質問に答えてください」


晴太は今度はドライヤーを持ってきて里子の髪を乾かし始める。


「もう、どこにも行かないから・・・」



「え? 何ですか??」


里子は晴太からドライヤーを取り上げた。


「もう一度大きな声で言って下さい」


晴太は里子を強く抱きしめた。


「もうどこにも行かない・・・
俺はののちゃんがいてくれたからこうやってまともになれたんだ。

一から職を探してこの間やっと試用期間が終わって正社員になれた。
本当はこんなに早くここに会いにくるつもりはなかったんだけど、たまたま通りかかって、そしたらこの事件だろ?

気がつけば俺は今ここにいる・・・

ののちゃんもあの頃のままで・・・

本当に感動してる・・・」


すると晴太はまたドライヤーで里子の髪を乾かし始めた。


「晴太さん、ドライヤーはいいですから・・・」


「よくないよ。
こんなに冷たくなって。
ほら、熱がまた上がってきてるだろ?」


晴太は里子のおでこを触りそして両手で里子の顔を包み込む。
晴太の指は大切そうに里子のくちびるをなぞり出す。
そして、里子に優しくキスをした。
でも里子はすぐに晴太から離れた。


「キスしたら晴太さんに風邪がうつってしまいます」



「いいよ・・・

じゃ、一緒に風邪ひこう・・」


晴太はいたずらっ子のような笑みを浮かべ里子を自分の膝に引き寄せた。
里子の大好きな晴太のキスが止むことなく里子の口をとらえて離さない。
晴太との濃厚なキスに里子の頭はクラクラしてきた。

気絶しちゃだめ、しっかりするのよ・・・

里子は晴太の腕の中で朦朧としていた。
晴太のキスは里子の全身を溶かし始める。

そして激しく甘いキスは二人を心の深いところで結び付けた。






“結婚しようか?”



“はい・・・
ふつつかものですがよろしくお願いします”































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