窓ぎわの晴太くん



里子は真横に座っいる晴太の横顔をずっと見ていた。
晴太は目を細めて笑っているように見える。


「いいよ。
ののちゃんが気にすることじゃないよ」



「でも・・・」



「あいつの性格はガキの頃からよく知ってるし、別に涼が現れたからって僕の生活が変わるなんてことはないから」


里子は晴太の事を何も知らない。
晴太の今の生活も、皆に悪い人とレッテルを貼られる何かも。
でも里子にとってはそんな事どうでもよかった。
今、ここにいる私の目に見える晴太だけでいい。
知らない事はこれから知っていけばいいもの。
自分の目でしっかり確かめながら・・・


「あ、ののちゃんの住所聞いてなかった。
家まで送るから住所教えてくれる?」



「はい」


里子は晴太に住所を教えながら、今日の自分の家の状態を必死に思い出していた。
晴太さんにお茶でもいかかですか?って言いたい・・・

わざわざ家まで送ってくれるんだもの。
ちゃんと言うのよ、里子・・・




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