お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~

「その話の続きは?」

 

「えっ?」

 

藤丸さんの予想外の質問に今度は私が困る番だった。

 

 

「その夢の続きは?」

「見たことないです。見たことあるのかも知れないけれど、まぁ夢の話だから、起きたら忘れてるって感じですね」

 

「そっかぁ」

 

藤丸さんがあまりに真剣に興味深そうに聞いてくれるから、なんだか恥ずかしくなってくる。

 

「って、いい歳した大人がこんな小さな子供みたいな夢見るとかって可笑しいですよね。しかも男の子が助けてくれるなんて現実には…」

 

「現実だと思うよ。少なくとも、僕はね」

 

私の恥ずかしさを隠そうとした言葉を言い終える前に、藤丸さんはピシャリと言い切った。

 

「僕は、琴理ちゃんの夢の話が聞けて良かった」

藤丸さんはそう呟きながらコーヒーを飲み終えると、私にニコリと優しい微笑みを浮かべた。

 

 

 

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