お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
藤丸さんの香りがすると思ったら、急に身体が浮いた感覚を覚え、自分が泣き疲れていつの間にか眠ってしまっていたことに気付く。
やんわりと沈み込む場所に丁寧に私の身体が下ろされる。
身体を優しく包み込むリネンの感覚や最近お気に入りのオーダーメイドの枕の感触から、そこが藤丸さんの寝室だということが重たい瞼を閉じていても何となく分かった。
きっとソファーで眠ってしまった私を藤丸さんが運んでくれたのだ、とぼんやりとした頭で思うと、急に頭は冴えわたってくる。
だけど、恥ずかしい気持ちとさっき起こった一悶着の後の気まずさがあって、瞼を閉じたまま寝た振りをするのが精いっぱいだった。