お見合い結婚～イケメン社長と婚前同居、始めます～

「会社の応接室で初めての会った日。ほら、琴理ちゃんがアイスコーヒー淹れてくれた日。琴理ちゃんの笑顔に引き寄せられた。もちろん、初恋の相手に再会できたっていう気持ちも引き寄せられる一因だったとは思うけどね。」

静かに語りかけると、琴理ちゃんは小さくコクリと頷き相槌をうってくれる。


「確かに地味だし、目立たない子だなって印象だったけど誰かを喜ばせたい気持ちとか、気配りの出来る子だなって思えた。近藤さんと話して、親友にすごく愛されている琴理ちゃんに興味を持った。昔みたいに琴理ちゃんを守りたいって思っていたけど、琴理ちゃんはピンチになると、芯は強くて、自分の意見はしっかり伝えてくれる。」


琴理ちゃんの顔を覗き込むように見つめると、自然と視線がかち合った。



「もちろん、じいちゃんの見合い話の件もあって時間がなかったってこともある。だけど、心から琴理ちゃんを手に入れたいと思った。琴理ちゃんの気持ちも、全部ね。琴理ちゃんの気持ちを手に入れるには時間が必要だと判断したからゲームしようって提案したんだ。やり方は強引すぎたって、今になって反省しているけど。あの時は僕も必死だったんだよ」