その男、猛獣につき

これじゃ、まるで私先生のことが…

 

自分でも薄々気付き始めていた気持ち。

それでもバイザーと恋愛なんてしちゃいけないって分かっているから気付かないふりをしてきた。

 

「タイプは年上」

 

先生の一言に私の存在が全否定された気がする程、傷ついた。

でも、泣いちゃいけない。

だって、先生にとって私はただの実習生なんだから。

 

あと、5週間後には、その関係すらなくなってしまう。

 

それが嫌だと思うのは私だけでしょうか?興梠先生。

 

いつも以上に早足でスタスタと歩いていく先生に遅れないようにと必死で歩く。

そして、先生の背中を見つめながら想いを巡らす。

 

ここでしっかり先生についていかないと、もうずっと置いてかれたままになってしまいそうな不安に駆られた。

 

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