その男、猛獣につき
ごく自然な形で、先生と私は手を繋ぐ。
先生が指を絡め、私の指を弄ぶ。
先生の魔法の手は、やっぱり大きくて、暖かい。
先生の横顔を覗き見ると、いつもの先生の表情で。
手を繋いでいることなんて全く気にしていないような表情をしている。
先生が、やっぱり好き。
この1週間悩みに悩んだでようやく先生を諦めることを決心したのに、先生の手のぬくもりを感じているとガラガラと一瞬にしてその決心は崩れ落ち、次から次へと先生への想いが溢れだしてくるのを感じていた。