その男、猛獣につき

「でも、今度の日曜日には買いに出掛けようと思ってるので、来週からはまたコンタクトです。興梠先生に自転車も借りているから、移動手段もありますし」

「もう、興梠先生!!有田さん、この真夏に自転車ですってよ。車出してあげなさいよ~」

嶋本さんは私と興梠先生の間に無理やり入ってきて、先生に話しかけるので、先生も居心地が悪そうにしている。



「休みは忙しいので。」

ピシャリと言いきった先生に、嶋本さんもさすがに次の言葉が出なかった。




そこに先生が注文していた焼酎が届く。
先生は待ってました、と言わんばかりに一口呑んだ。

「じゃあ、あんまり余計なこと言わないで下さいよ。」


少しだけ口角を上げて、ニヤリと笑い、先生は竹内さんと嶋本さんに目配せをする。


はい。はい。

苦笑いを浮かべながら、二人が返事するのを見ると、先生はまた、課長のもとに戻っていった。




 

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