桜色

葡萄



「おはよ」


眠い目をこすりながらリビングに入る



「おはよ
美麗ちゃん
どう、体調は」




「うん平気…
お兄ちゃんがね
中谷さんの事褒めてた」




「征一さんが…
ありがたいですね…」

あれ
中谷さん…
なんか…
匂いがおかしい…
くんくんと彼の周りを一周した

「な、何ですか?」

少し笑いながらこちらを見る
気にしないであげるか…


帰ってきてくれたし…


〜〜
〜〜



「中谷さん今日荷物多いね」


後部座席に積まれた1泊2日用のスーツケース



「ぇえ、ちょっと
家は開けませんのでご安心を」

少しだけ口元が上がってる…
何を企んでるんだ…
小さく蹴りを入れておいた

「いでっ
大丈夫ですって…
今日も頑張ってくださいね〜」

手をひらひらと振りながら車を駐車場に入れる中谷さんを見送り
校舎に入った
3日くらい外に出なかっただけでこんなに変わるんだ
日差しが強い…
空が近い…

窓に手を伸ばしてみた
ふふ



「みれーーーいーーーーーー」



前から凄いスピードでこちらに向かってくる物をさらりとかわした


「大丈夫?
熱出したんでしょ?!
入院は?
本当に大丈夫…モガッ………





「大丈夫だから〜
東雲先生……
これでも少しは強くなったんだからね…」

腰に手を当てて胸を張った


「そっか…
時が経つのは早いなぁ…」


どこで時感じてんだこの先生…




「そーだテストの結果出てるぞ」




早輝ちゃんの指差す方向には掲示板がある
うんぁ…
ちょ………
見たくない…
通り過ぎる時にちらっと見る…
ぁあ…
やっぱり…
152位 漣 美麗
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