恋色風船
第二章




「・・・で、その林さんっておじさんと、ヤッたの?」

律子がうながす。


「おじさんって言わないでよ。32歳だって」

アイスロイヤルミルクティーを、ちゅっと吸う。


「まあ、確かに10代の頃だったら32なんておじさんだけど。
こっちもハタチ過ぎると、全然じゃんって思うよね」


「でしょ」

フォルムの美しいロングタンブラー。
ストローで、氷をカラカラとかき回す。


ふつうの氷ではない。ロイヤルミルクティーそのものを凍らせたキューブだ。
溶けても味が薄まることはない。
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