長くて短い初恋物語
初恋の始まり
初恋は叶わないもの。
初恋は心の中に留めておくもの。

貴方は初恋を__どう思いますか?

暑い日差しが照らしつけるお昼の終わりごろ。
宮登山第一小学校の六年二組には二人の少女がいた。

一人は肩まである黒髪を耳にかけている、ハーフのような顔つきの少女。

もう一人は肩より少し下まである黒髪を後ろで一つに縛っている少し外国のような顔つきをした少女。

「はぁ〜、もうすぐ夏休みだね〜。菊は用事とか、ある?」

菊__そう呼ばれたのは髪を後ろで一つに縛っている少女だった。

菊は親友……江里夏のそんな問いに別にないよ、と答えた。

「ふーん、そっか。」

つまらない、とでも言いたそうな顔をする江里夏だったが、気に変えがいいのかこんな話題を菊に振った。

「ねぇ、菊は好きな人とか…いる?」

そう聞くと、菊はすこしビクッとした。
菊の顔には動揺が一瞬現れた……きがした。次の瞬間にはもういつもの何を考えているのか分からない表情に戻ってしまった。

「いない……よ。」

「えーいないのー?つまんないけどまぁいいっか。」

じゃあさ、とでも言う様に江里夏は菊に今日遊ぼうという約束をした。

菊も今日は予定がなかったのでまぁいいだろう、ということになった。

そして菊は、江里夏が好きな人について追求しないことに安堵した。

なんせ菊は、江里夏に嘘をついていたのだから。






そう、あれは丁度幼稚園の年長の頃まで遡るであろう話。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop