あの日、君と見た青空を僕は忘れない
【side 幸】


黒田くんにキスされた。



だから恋愛なんてしないほうがよかったのに。

でも好きになっちゃったから。

嬉しいのに、ダメだから。



青春は楽しんだ。

だからもういいのに。



それ以上の感情が溢れちゃって。


「…ずっと一緒にいる。俺がお前のそばにいる。お前が学校で俺にやってくれたみたいに。今度は俺が、岡本のこと支えるから」


やめて。


そんなこと言わないでよ。


我慢してた涙が溢れ出て。


黒田くんともっともっと一緒にいたい。

もっと触れたい。


そんなことばかり思ってて。



ねぇ、黒田くん。



気持ちを閉じ込めるなんて、私はまだまだ大人じゃなかったよ。



いいのかな。


触れても。



いいのかな。


好きになっても。


泣きながら、言った「大好きだよ」の声を。


黒田くんは全部抱きしめてくれた。


「…俺も」


あと少しだけ。



ううん。




ずっと一緒にいたい。



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