あの日、君と見た青空を僕は忘れない


ガチャ


ドアが開くと、素敵なBGMと拍手がなった。


辺りを見回す。



クラスのみんな

担任

2人の両親


すごくキラキラして見えた。



「幸ちゃーん!おめでとう!」

「岡本さん、おめでとう!」

「黒田!おめでとう!」

「大翔、イケメンかよ!」

いろんなお祝いの言葉が飛び交う。



「もー、さっきから、泣いてばっかだよ」
と岡本。

「ちゃんと見なよ。これが岡本幸が自分で作り上げた思い出なんだから」


「黒田くん、意地悪だよ。花嫁のこと泣かしすぎ」

「お前が勝手に泣いてんじゃん」

「黒田くんも感動してるんだったら泣いてよ」


「いや」


今は最高の時間だから、泣かない。


絶対に。


コソコソと話しながら、牧師さん役の担任の先生の前に着く。


なんで担任が…と思ったが、面白かったので許す。

「新郎 黒田 大翔。
あなたは、ここに居る岡本幸 を
病めるときも、健やかなる時も
富めるときも、貧しき時も
妻として愛し、敬い、慈しむ事を
誓いますか?



「誓います」

はっきりとそう言う俺。



「新婦 岡本幸。
あなたはここに居る黒田大翔を
病めるときも、健やかなる時も
富めるときも、貧しき時も
夫として愛し、敬い、慈しむ事を
誓いますか?」


「はい。誓いますっ」


「それでは…指輪の交換と誓いのキスを」

「え?!」


指輪とキスと聞いて戸惑う岡本。


「え、や、みんなの前で?」

「当たり前じゃん。誓いってそう言うものだし」

岡本にそう言ってから、用意された、指輪を岡本の薬指にはめる。


「これ…」

「俺とみんなから。俺だけのバイト代だけじゃね」

「…こんなにしてくれなくても…」

「結婚式の醍醐味はここじゃん。ほら、はめて?」

そう言って岡本に指輪をはめてもらう。


「…ありがとう。黒田くん。ありがとうっ。ありが……!」

あんまり岡本がうるさいから、その唇を塞いだ。


「ヒュー!おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう!!!」


たくさんのそんな声が飛び交う。


「幸、お誕生日、おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう」


俺はそう言って、もう一度、岡本にキスをした。



< 115 / 130 >

この作品をシェア

pagetop