あの日、君と見た青空を僕は忘れない

「いきなり来るんだもん。びっくり」

「行くよ〜〜って連絡しても、幸ちゃん携帯の電源切ってるからわかんないでしょ?」

「あ、そっか。あ!そういえば、2人とも、おめでと〜〜〜〜」

相沢と小池に笑顔でそういう岡本。

相沢、小池と付き合ったこと、岡本に話してたんだ。


「これから、私と黒田くんは邪魔者だねー」
と岡本。


笑ってるのに。

岡本が前より離れて見えるのはなぜだろう。


始業式のあの日みたいに。



全力で笑う彼女じゃないみたいな。


どこか悲しそうに笑う岡本。


なんなんだろう。



「あ、岡本、お前、学園祭やりたいこととかある?」

俺は話題を変える。


「あー。もうそんなこと決める時期かー」

「…んー、たこ焼き」

岡本がボソッと言った。


「たこ焼き、やりたい!」

「いいねー、簡単だし、結構たこ焼き機持ってる人も何人かいるだろうし!」
と張り切る相沢。

「おぉ、じゃ、入れとくな」

「うん!」

「学園祭かー!いいなー!高校生活最後だぜ?楽しまなきゃだよなー!」

「その前に、テストあるから、そこで赤点取らないように頑張らなきゃ!あ、幸ちゃんの授業のノート、うつしておくね!」

「舞ちゃん、ありがとう!」

「いえいえ。今回のテストもいい点とって、みんな卒業できるようししようね!」

「おぉ!」

そして、この日は学園祭の話で話題が膨らんだ。


絶対、いい学園祭にしたい。


そんな気持ちが俺の中で芽生え始めていた。







< 67 / 130 >

この作品をシェア

pagetop