あの日、君と見た青空を僕は忘れない


屋台につくと、岡本は休憩に入っていて、もうそこにはいなかった。


「岡本は?」

たこ焼きを作ってる小池にそう聞く。

「…休憩、入ったけど…つーか、お前、俺が一生懸命、くまさん着てチラシ配ってる間、どこで何…」

小池が話してるのを無視して、俺は岡本を探す。


…屋上。



たくさんの人をかき分けて、俺は屋上に向かう。


──────

ガチャ



屋上のドアを開けると、いつもの場所に岡本が一人で座っていた。



「岡本…」


岡本はこっちを振り返ったが、何も言わず、プイとした。


「…穂花さんと過ごせばいいのに」

「なんだよそれ」

「彼女いたんじゃん」

「元だよ!元カノ」

「…でも、いたんじゃん」

「昔な」

「なんで戻ってきたの?」

「…お前と休憩入るって言ったし、それに」


それに

「好きだから」

「…バカみたい」

!?


人に好きだと言われてバカはないだろう。

「バカとか言うなよ」

「黒田くんは、バカだよ。バカ」



俺はバカだ。


岡本のこと好きだと言いながら、ヤキモチ焼いて欲しくて、元カノと歩いたりするんだから。


「好きだよ、黒田くん」


小さく岡本がそう言った。

「友達として?」

「…当たり前じゃん」

「はいはい」


そして、俺たちは2人の時間を過ごした。


岡本。


俺のこと好きになれよ。

男として好きだって。


そう言ってくれよ。

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