あの日、君と見た青空を僕は忘れない

【side 大翔】

──────


翌日の学園祭も無事大成功を収め、幕を閉じた。



近くのファミレスで打ち上げを開くことになった。



「いやー、最高の思い出になったなー!みんなー!」

「おー!」

ファミレスに向かいながら、クラス全員で歩く。


小池が先頭に立って、みんなを盛り上げる。


俺も楽しかった。


色々あったが。


それでも、ちゃんと学生らしいことができた。


岡本のおかげだ。


「あのさ、岡本…」


バタッ


‼︎


隣で歩いていはずの岡本を見るとそこには岡本の姿はなく、後ろから何かが倒れる音が聞こえた。



後ろを振りかえる。



「…岡本?」


そこには岡本が倒れているのが見えた。


どうしたんだよ……。

俺は急いで岡本に走り寄る。


「おい、岡本!岡本!」



俺の声で、クラス全員がこちらを振り返り、慌ててみんなも岡本の方に集まる。


俺は岡本の頭を抱えて、何度も名前を呼びかける。


でも岡本は返事をしない。
無反応だ。

全身の力はダランと抜けていて、まるで…。


「岡本!岡本!おい、誰か救急車!」

俺は頭によぎった嫌なことをかき消すかのように大きな声で叫ぶ。


周りにいた通行人も駆けつける。


「岡本さん、どうしたの?!」
とクラスメイト。

「わかんねー、いきなり倒れて…」


ただの貧血かもしんねー。

そうだ。


そう思いながらも俺の手は震えていた。


「幸ちゃん!幸ちゃん!」

クラスの1人が救急車を呼ぶ。


「頭、打ってねーか?」

小池が真剣な表情でそう聞いてくる。

「わかんね…でも、血は出てないから」



遅い。

救急車が遅い。

何してんだよ、何してんだよ!




「岡本ーーー!!!」




< 84 / 130 >

この作品をシェア

pagetop