あの日、君と見た青空を僕は忘れない


「あの子、岡本 幸って子」

階段を降りる曲がり角に着いた時、女子たちの話し声に岡本の名前が出てきて思わず足を止めた。


なんで、立ち聞きとかしてんだよ。俺。


「…なんか、キモくなーい?」
「めっちゃ、いい子ぶりっ子じゃん?」
「転入初日であれとかついていけないんですけど」
「つーか、黒田 大翔連れてきたのも面倒くさい!最悪だよね?あいつがいるだけで空気めっちゃ悪くなるしさー」


俺の悪口になった時に、わざとそいつらの前を通る。

「ヤバっ」

そんな声が聞こえた。



ほら、思った通り。
岡本、嫌われてんじゃん。

人と違うことすればこうなるんなんだよ。


俺は慣れてるからどーでもいいけど。


って…なんで俺があいつの心配しなくちゃなんねーの。


一年長ぇよ。




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