至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】

世間体を考えれば、退学という選択も出来たはず。


それでも。


唇をキュッと結び、正面をきちんと見据えている七海さんが楓女学園を卒業しようとするのには、それなりに意地があるのだと思う。


あたしは静かに、七海さんに近づいた。


「……七海さん」


声を掛けると、ピクッと肩が上がった。


ゆっくりと顔をあげ、その瞳があたしを捉える。


それまでヒソヒソと聞こえていた声が止む。


クラス内の全視線が、あたしに注がれているのが分かった。


大財閥の御曹司が婚約者の七海さんと、暴走族の総長と付き合っているあたしと七海さんとの接点は、誰がどこを探したって見つからないからだろう。
< 89 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop