Office Love
昨日はあれから、一緒に昼食を取って、平川さんは帰って行った。
社内で1,2を争うモテ男が私なんかに好意を抱いてくれてるって事が信じられなくて、昨日の事は夢なんじゃないかって思った。

そんな事を暢気に考えてるほど余裕のある状況ではない事にハタと気付き、再度パソコンに向かう。

今日は日曜日。
私以外の出勤者はいない。



目の前のパソコンに集中してたら、急にパソコンに影が落ち、顔を上げる。

「佐々木さん・・・・・」
「よぉ。」

と、片手をパソコンの縁に置き、斜に構える姿は艶めかしい。


「どうしたんですか?三課もお忙しいんですか?」
「いや、ウチんとこは金曜に全部終わらせてっから。」
「じゃ、どうしたんですか?」

と聞けば、パソコンの縁に置いてた手でそのままパソコンを閉じられた。

「あっ」

と小さく声を上げれば、

「保存してなかったか?」と、心配そうに聞き返してくる。
「いえ、大丈夫だと思います。」
内心、もう一回やり直しかぁなんて思いながら、パソコンから手を離した佐々木さんに目を移す。


「昼飯まだだろ?一緒に食おうぜ。こないだの礼。」


昨日と言い今日と言い、私はどうしてこうも社内1,2を争うモテ男達から誘われるんだろうと考えてたら、グイッと腕を引っ張られて立たされた。


「うわっ」

自分でもなんて色気のない声なんだろうと思う程の声が出た。

「悪りぃ、悪りぃ。」

と、よろけた身体を支えてくれようと、腕が腰に回る。
その一連の動作がこの人の軽さを表してて、嫌でも防御線を引かしてしまう。
密着する身体が熱く感じるのは、この人がこんなにも綺麗な顔をしてるから?
女の私でさえ嫉妬するような綺麗な顔。

「は、離してください。」

このまま彼の腕の中にいたら、我を忘れちゃうんじゃないかって思って、気を奮い立たせて声を発した。

「嫌だって言ったら?」


艶めかしい瞳を私にぶつけながら、離れるどころかさらに身体を密着させる。

「私、佐々木さんに興味はないですから。」

口では大きなこと言ってても、身体は反応してて、このままこの腕の中に堕ちてたら、意識まで堕ちちゃう。
もうダメだ・・・・
そう思った瞬間、身体が一気に引き離された。




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