あの日、あの時、あの場所で。

第12章 卒業式

文化祭の日から杏奈はずっと悩んでいた。

あれって付き合うってこと?

え?もしかして冗談?

そんなことない?


今日は卒業式当日。

なのにも関わらず、杏奈ははてながいっぱいだった。

「おーい?おーーい??杏奈ー?
大丈夫ーー?」

「んー…?ん?んにゃ!?美穂!?」

「んにゃってなによ笑おはよ笑
いよいよ卒業だね…」

「うん…どうしよう。泣けてきた…」

私は式が始まる前から涙が止まらなかった。

「と言ってもねぇ…杏奈とも恭太とも蓮也とも高校変わんないしなー…」

「そうなんだよね笑」

「あ、そういえば杏奈、付き合ってるの?文化祭のからずっと悩んでるみたいだったけど…決着ついた?」

「…それかね…着いてないの…」

「はぁ…藤崎も一体何してんだか…」

「俺の話?」

「うわっ。藤崎…」

「卒業式にまで俺はうわって言われる運命なのか…」

「おつでーす」

「恭!おはよー」

「蓮。はよー。杏奈もおはよ。美穂おはよー」

「「「おはよー」」」

「杏奈〜?」

「ん?」

「藤崎と決着つけといて」

「うん…!」

「よし!行ってらっしゃい!」

「蓮也…?話あるんだけどいいかな?」

「ん?うん」

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