天使の梯子

いつもながらの鮮やかな手技に、一緒に対応に当たっているスタッフ達は羨望の眼差しを送るが当の本人はまったく別のことを考えていた。


(楓、今頃何してるかな……。朝の楓もかわいかったな)


クールな眼差しで患者のバイタルサイン(血圧、脈拍など)が映し出されているモニターを見ている彼が考えているのは愛しい彼女のことだ。


(楓、仕事中に他の男に目つけられたりしてないよな。白衣姿もヤバイくらいかわいいし)


そんなことを考えているとはおくびも出さず、彼的確な指示を出す。


「アドレナリン追加で入れて。病棟に入院の連絡いれた?」


「いれてあります」


看護師の答えに、暎仁は表情を崩さずにうなずく。


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