同期♂と私、ときどき熊♂
またしても熊


翌日。


休みだった鹿目は、昼前まで寝ていた。


ベッドにはクマオを寝かせ、仕方なく自分は床で毛布に

くるまって寝ていたが、いつも朝になるとベッドで横になり、

後ろにクマオがしがみついていた。


激しくインターホンが鳴る音と、ドンドンドン!!と、

ドアを叩く音に起こされた。


「はい…」


寝ぼけ眼でドアを開けると、若い女が上がり込んできた。


「クマオ!!」


「……あん…?」


寝ぼけていたクマオが、


ガバッ!!と飛び起きる。


「お前…なんで…?!?」


「帰るで!!」


腕を引きずり上げ、ベッドから起こす。


「……あの、…どちら様…?」


突然押し掛けたおそらく彼女らしい女。


クマオと同じくらいか。


腰までありそうな癖っ毛を後ろで束ね、化粧っ毛はないが、

目鼻立ちのはっきりした、可愛い顔立ちだ。

スタイルもよく、その辺の雑誌のモデルでもしていそうな美少女だ。


一応ニットのワンピースらしいものを着ていた。


山から下りて、適当な民家で洗濯物を奪ってきたような格好だ。


「クマコ……」


「はい???」


クマオの口から出た名前で、すべてを察した鹿目。
< 18 / 80 >

この作品をシェア

pagetop