同期♂と私、ときどき熊♂
本当の、熊さんの恩返し

「大変です!!鹿目さんが、原付で事故ったって!!警察から電話が!!」


開店前の準備中。


メカ裏で、やきもきしていた彪賀の元にインカムで御厨の慌てた声が飛んできた。


社員証を見て連絡が入ったのだ。


「意識不明の重体だって」


「ええっ!?」


小絵が驚き青ざめる。


「彪賀さんは!?」


「どこの病院だ!!」


インカムに叫ぶ。


「この近くの救急病院です!あとは熊谷呼びますんで、行ってください!」


「あのバカ!!なにやってんだ!!くそ!!」


休憩室の中にあるロッカーから、鍵を掴み取ると、そのまま裏から出て車に走る。


こんなときに限って道が混む。


苛立ちながら、ようやく病院に飛び込んだ彪賀。


< 74 / 80 >

この作品をシェア

pagetop