同期♂と私、ときどき熊♂

とりあえず、顔だけでも拭いてあげよう。と、


部屋の、床に敷いた敷物の上に寝かせた男を仰向けにする。


年の頃は20歳そこそこか。


日に焼けた、やせ形の体は引き締まり、短めの髪はボサボサで、


泥汚れはひどいが臭いはない。


よく見ると、睫毛も長く、目鼻立ちのすっきりした、なかなかのイケメンだ。


洗面でお湯でタオルを濡らし、顔を拭こうとしたとき、


手が伸び、鹿目の頭を探り寄せた。


「えっ…」


「やっと、みつけた…」


うっすらと目を開けたが、そのまま閉じ、



唇が、


重なった。
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