モノクロの世界で
黒板に書かれた出席番号を見て自分の席を確認し、席に着いた。その間もざわめきは途絶えない。

物心つく前から、私の周りには不幸が付き纏った。私に優しくしてくれた人には皆不幸が訪れた。
それは些細な怪我だったり、全治何ヶ月にもなる大きな怪我だったり…最悪は…死だったり。

私自身が呪われているのだろうか。それも当然なのかも知れない。
母の命と引き換えに産まれてきた私。

祖父から母を奪い
祖母から母を奪い
叔母から母を奪い
父から母を奪い
兄から母を奪い

そして、私が産まれた。

犠牲の上に成り立った命。

だから仕様のないことなのかもしれない。


そんなことを考えていると、入り口の方が一気に騒がしくなったのに気付く。


―あの子だ。さっきぶつかった『りえちゃん』。
< 11 / 48 >

この作品をシェア

pagetop