その呪いを解くには王子様のキスが必要ですか?
春。
入学の季節。

私は南城学園高校に入学した。

「あゆみー!」
後ろから聞き慣れた声がする。
小学校からずっと私と仲良くしてくれている沙月だ。

感情が上手く出せなくなってから、周りにいた友達はほとんど離れてしまった。
イジメの標的にもされた。

何をされても表情を変えない私は、感情のない人形のようで怖いらしい。
また、イジメをする側にとっては、好都合の存在だった。

もちろん私は、感情がない訳ではない。
友達が離れていったのは寂しかった。
イジメもとても辛かった。

全ての原因の、あの初恋の男の子を恨んでしまう事も何回もあった。

そんな私を、さつきは見放さず側にいてくれた、大切な親友。

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