あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「水嶋、ちょっといいか」

「はい」


午後からの仕事。自分の仕事をしながら、時たま柴咲課長を盗み見た。


柴咲課長が来てから、だいぶみんなの空気も変わった気がする。


最初は私のように苦手だとか嫌いだとか思う社員がいたんだけど、最近はみんなすごく頼りにしていて、もしかしたら上田課長よりも信頼できる人になってる気がする。


仕事中の柴咲課長は、最初に来た時と変わらない、クールを越した無表情。


けれど、みんなから頼りにされてるのは、誰かがミスをした時、すかさずフォローに入る場面を何度も見たことがある。


きっとそういう面で、この人は信頼していいんだ。と、みんなが思ったのかもしれない。


「わっ…!?」

「先輩、なにやってるんですかー」

「あは、ごめんごめん」


やっば、柴咲課長のこと見てたらガッツリ目が合っちゃったよ!!


しかも書類ばら撒いて前田ちゃんに怒られたし…本当、なにやってんだか…。


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