⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】

「転がり込んだ災い」

そんなワケで、
ここ数日の夢見は最悪、心に鉛を抱えた気分で出社していた俺だったが……

日頃の行いが良いためだろう。

これまで再びあの女が現れる事もなく日常生活を送っていた。

が。
それから更に2週間が経ったある日のコトだ。

 
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい、アキトさん。ん~♥」
「タシュケテー!」


その朝も普段どおり。

右手にすり寄ってきた燈子を、左手に嫌がる冬喜をダブル抱っこで、2人の頬に軽く口付けてからきっかり7時に家を出た。


会社でも特に変わったことはなく、光仲副社長と仲良く喧嘩して、つつがなく1日が終了。


 
問題はその後だった。


「タダイマ」

シーーーン…


あれ?

玄関を開けると、いつもはダッシュで突進してくる奥さんが出てこない。

しばらくそこで待っていると、テケテケと3歳のムスコが真っ暗な廊下を歩いてきた。
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