⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「チャオ♥大神サン」

俺の目にまず飛び込んできたのは
ソファに主(ヌシ)のように寝そべる女。

紛れもない、イベコンのカノン(マツコ)だ。

その横に従女のように控え、ジッと彼女を睨み据える愛妻トーコ。


「あ、アディオス」

思わず扉を閉じ、まわれ右しようとした俺は、あえなくフユキに捉えられた。

「いこっ♪」

ま、こんなんで誤魔化されるわけもないか___


腕を引かれ、2人の前に引っ立てられた俺は、射すようなトーコの視線に、ウッと喉を詰まらせた。

「……ダンナ様、ご説明を」

「大神サン、ヨロシクね~、ふわぁ…」
呑気に欠伸をするマツコ。

お前がここにいるワケなんて俺が知りたい。

ギロりと彼女を睨みつけるも、
社員達を射竦める俺の眼力が、どうやらコイツには全く通じないようだった…
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