これも青春。
同じサックスでも、音域が違うから、練習は一緒にできなかった。



その1ヶ月後、顧問の先生に呼ばれた。



「どうしたんですか?」



私が訊くと、先生は困ったような顔をして、



「あのね、3年生の子が、受験勉強でしばらく部活に来ないから、テナーサックスを演奏して欲しいの。バリトンサックスはひとつしかないし、先輩と交代しながら練習しても、上手になれないでしょう?バリトンサックスをもうひとつ買うまでだから。」



と言った。
< 6 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop