Hell・God

―食堂―


ノ「あっ、遅いですよみなさん!」


ミ「お腹減ったぁ…」


待ってましたと言わんばかりに女性陣(二人)は、配布されている昼ごはんを取りに行った。


ブ「よし、俺らも取りに行こうぜ」


配布してくれる鬼に頭を下げ、ご飯を見る。


今日のメニュー

唐揚げらしきもの、何かが入った味噌汁、玄米だ。


6人で一番端っこのテーブルを囲み、いただきます、と手をあわせる。


ブ「やばい誰かの過去見ちゃいそう」


テ「俺のはもう勘弁してくれ」


冗談だよ、とブラッドは笑う。

みんなで、いただきます!と声をあわせた。



ミ「美味しい~!ここの鬼さん料理上手だね!」


ミラの言動からすると寮ごとに料理を作る鬼が違うようだ。


ノ「ひ、久しぶりの唐揚げ……!感謝です」


ブ「太るぞ」


ノ「捻り潰しますよ?」ニコッ


ヨ「そうだ!ノア、ティナの本名知りたい?」


ノ「あ、はい」


ノアは軽く頷く。


テ「お、おい馬鹿!言うな!」


ヨ「ラファエルだそうだよ」


テ「てめぇぇぇぇぇぇ」


ノ「なんで判明したんですか?」


くぅ「ブラッドの能力ッスよ」


ブラッドは胸を張る。

ドヤ顔がものすごくウザい。


ノ「まあティナって言いやすいですし、そのままで」


テ「なんでだよ!」


ティナが軽くツッコミを入れたところで、ノアは何か思いついたようだ。


ノ「ならその能力でくぅさんの過去、見ればいいじゃないですか」


確かに!

僕はそう思った。

だが、ブラッドはすこし顔を歪ませる。


ブ「俺だってそうしたいけど……」


けど?


ブ「何か壁がある。くぅの過去が全く見れない。脳にアクセス出来ないんだ。」


ブラッドは深刻そうに言った。


それを聞いて、ヨシュアは食べる手を止めた。


ミラは気にせず食べ続けている。


ブ「くぅ、もしかしたらお前生きてた頃に改造とかされてたんじゃないか?脳とか弄られたりさ」


くぅ「…改造?」


僕が改造されてるって?

そんな、そんなはず―――



『やめてほしいッス!謝るから!謝りますか――』


『やれ』


『痛いッス!やめてくれッス!本当に、やめ……』


『モルモットなんぞに耳を貸すな。黙れ、検体No.11。』


頭痛だ。あの、あの時と同じ。


ブ「くぅ!大丈夫か!?」


くぅ「…っ、大丈夫、ッス」


頭が痛い。耳鳴りがする。食べた物が上がってくる感覚がある。


モルモット?

検体…No.11…?


聞き覚えのある単語が、脳内を刺激する。


ヨ「…くぅ、また倒れると行けないから先に寮に戻ってな。君の分のお昼ごはんはティナが持っていってくれるから」


テ「はぁ!?新人の世話なんて……」


ヨ「シメるよ?」ニコッ


テ「ソスヨネサセンシタ」



ヨシュアに言われた通り、僕は寮に戻った。


くぅ「検体…No.…」


シーツ替えたてのベッドに横たわり、ふと思い出したことを口にした。


少し横になっただけでも楽になったな、とゆっくり体を起こす。


トントン


静かに扉がなった。


テ「…入るぞ」


ギィ、という音と共にティナが入ってきた。


テ「…調子はどうだ?」


くぅ「さっきより、全然良くなった…ッス」


テ「…」


くぅ「…」



気まずすぎる!

ティナ喋らないんだもん!

僕のこと新人って呼んで嫌ってるみたいだし!


だが予想を裏切り、沈黙を破ったのはティナの方だった。


テ「…お前、改造されてるって本当か?」


ティナは手に持っていた僕の分の昼ごはんが乗ったお盆を僕に渡す。


テ「…もしそうだったら、俺についてこい」


くぅ「へ?どういうことッスか?」


テ「…余った飯はノアにやれ。あいつ結構食うから。」


くぅ「…分かったッス」


僕はお盆を近くの小さなテーブルに置いてサラ○ラップをし、ティナについていった。



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