俺様上司と身代わり恋愛!?


「ですよね! 友達に言っても、そんな漠然としてるから彼氏ができないんだって言われちゃって……」
「でも、最初から細かい希望みたいなのは出てこないよね。付き合ってみてから初めて気づく事も多いだろうし」

と、言ってから、自分の発言が急に偉そうに思えてきて黙る。

大した恋愛経験もないくせに私がこんな純粋無垢な後輩に恋愛指導なんておこがましすぎる……。
そう思い、私の言う事は気にしないで、と言おうとした時。

高橋さんがキラキラした目をこちらに向けた。

「そうですよね! 私も同じ意見ですっ。嫌だなって思ってた部分だって、好きな人相手ならまた変わってくるし、好きだからこそ許せたりもしますよね。
自分が好きになった人が、自分を想ってくれてたら、それだけでもう全部許せる気がするんです」

それはちょっと……どうだろう。
なんだか私と同じ匂いを感じて、それはダメかもしれないと……言おうか言うまいか悩む。

何度も言うようだけど世間一般でいうダメ男としか恋愛経験のない私が言えた事じゃないし、むしろそんな私が考える事なんて、ほぼ間違ってるんじゃ?とさえ思える始末。

それに、高橋さんは私と違って千里眼は確かかもしれないし。

成績だって優秀だったって話だし、仕事の飲み込みだって早い。
性格だって控えめで素直だし、恋愛話をこんなキラキラした瞳でしちゃうくらいなんだし……。

だから大丈夫だってわけでもないんだけど。

でも恋が何も始まる前から、そういう考え方は気を付けた方がいいよだとか、こういう男は注意した方がいいよだとか。

そんな話は野暮なだけだなと判断して「いい人が見つかるといいね」とだけ返した。

本当に、高橋さんに見合う、性格のいいイケメンが表れればいいなぁと思いながら。




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