恋することを知った恋

その波が奏でる、静かで心地の良い音。

隣にいるのは、黒瀬先輩。

あと少し風が吹けば、あたしの髪の毛が黒瀬先輩に触れそうな距離。


――好き、大好き。


想いを伝えよう。

突如現れた展開に、緊張が走るあたしの身体。

耳に光るいつものピアスに、そっと触れた。

波の音に身を任せて、あたしは口を開いた。


「あの」「あのさ」


声が、重なった。
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