恋することを知った恋

「俺もです…ここの学校だったんですね」

彼はやっぱり長めの黒髪で、制服はあまり着崩さず、シャツを捲った腕に白い大きな時計を付けている。

そして背中には、昨日と同じリュックを背負っているのが見えた。

「はい…2年なんですけどね」

ここは3年生の教室の前。

彼はこの教室に入ろうとしていたわけだから、3年生で間違いない。

それにしても一個上にはとても見えない。
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