恋することを知った恋

「よかったじゃん」

慌てて返した言葉が、何故かぎこちなかった。

あたしの心の中が今、少しざわついた気がして。

でも違う、そんなわけない。

そんなことあったらいけないって、そんなのあたしらしくないって、そっと周りを見渡した。

あたしの前にはご機嫌の麻奈美、窓から見えるのは澄み切った空。

蛇口からはピチョン、と水滴が垂れて、それをかき消すような元気な女子生徒の声。
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