your side
3
轟音を立てて飛行機が飛び交う。

エスカレータを昇ってくるみなみ。大きなトランク1つ持ち、不安げな表情で歩き出した。

「みなみ!」

亜弥の姿を発見し、表情が明るくなる。
亜弥が大手を振っている。みなみは駆け寄った。

「よく来たわね、みなみ!」
「うん。これから、お世話になります。」
と、頭を深々と下げた。顔を上げ、ふと亜弥の隣を見ると、長身の20代の男性が立っていた。彼は、穏やかな笑顔だった。

「紹介するわね。こっちは有坂達也。私の夫よ。」

達也はそっと手を出し、

「宜しく。」
と、みなみと握手をした。
みなみは、若干照れながら、下向き下限で

「よ、よろしくお願いします。」
と、言った。

「亜弥とはいとこだってね。」
「でも、姉妹同然で育ったから、本当の妹のようなの。」
「じゃあ、俺にとっても妹だ。本当の兄だと思って、遠慮しないで何でも言って。」
「あ、はい。」

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