不器用少女の恋
「…大丈夫か?」
「はい」
私は俯いたまま応えた。
「あれ、元カレ?」
「…わかりません」
前を向いたままの瑠衣くんと言った。
「わからない?」
「自然消滅っていうか、別れてたこと今日知ったっていうか、」
「そっか」
「はい」
「まだ好きなの?」
そんなの…
「……はい、好きです」
「なら、振り向かせないとな」
信号で車が止まり、横を向いた瑠衣くんが私の頭を撫でた。
私は首を横に振った。
「諦めるのか?」
「…最初はずっと一緒にいたんです。でも、いつからか、修哉はさっきの子といるようになりました。修哉が幸せなら、それでいいんです」
「自分と幸せになろうとは思わないのか?」
「…私の幸せは、修哉の幸せだから」
修哉が笑っていてくれるなら、それでいい。
「愛由香は、俺よりずっと大人だな」
「え?」
「すごいことだよ、そこまで人の幸せを願ってあげられるのは」
「そんなことないです」
「俺は、愛由香の幸せを願ってるよ。愛由香の分も」
「…ありがとうございます」
そして、また車が動き出した。
「はい」
私は俯いたまま応えた。
「あれ、元カレ?」
「…わかりません」
前を向いたままの瑠衣くんと言った。
「わからない?」
「自然消滅っていうか、別れてたこと今日知ったっていうか、」
「そっか」
「はい」
「まだ好きなの?」
そんなの…
「……はい、好きです」
「なら、振り向かせないとな」
信号で車が止まり、横を向いた瑠衣くんが私の頭を撫でた。
私は首を横に振った。
「諦めるのか?」
「…最初はずっと一緒にいたんです。でも、いつからか、修哉はさっきの子といるようになりました。修哉が幸せなら、それでいいんです」
「自分と幸せになろうとは思わないのか?」
「…私の幸せは、修哉の幸せだから」
修哉が笑っていてくれるなら、それでいい。
「愛由香は、俺よりずっと大人だな」
「え?」
「すごいことだよ、そこまで人の幸せを願ってあげられるのは」
「そんなことないです」
「俺は、愛由香の幸せを願ってるよ。愛由香の分も」
「…ありがとうございます」
そして、また車が動き出した。