出会い、別れ、再び


知り合ったばっかの奴のくせに、ご丁寧にお気に入りにしてやがる。


トークを数日前に遡って、画面をスクロールさせていく。


「うーわ、きしょ笑」

会話は甘すぎて、背中がむず痒くなった。


『今日は楽しかったな。エミ、ゆうくんとしゃべっていると、時間なんて忘れちゃう』


『エミちゃんて、優しくて、気配り上手で、良いお嫁さんになりそう』


『今度、ゆうくんが言ってた映画、一緒に見に行こ❤早く会いたい』


建前だけの会話じゃん。

自分のことをエミって、言う女とかさー……コホンッ。

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