追いかけっこが、終わるまで。
「リサ」

また何も考えられなくなってきた私に、光輝くんが手を伸ばす。

左手を引き寄せられて、正面から向かい合って目を合わせてきた。



「初めて見た時から、目が離せなかった。すごい自由で、楽しそうで。俺の隣で笑わせたいって思った」

目で微笑んで、でも真剣そうに続ける。

「強引に行き過ぎたのかって反省したけど、逃がしたくなかった。1回だけとか、ありえないと思った」

「悪いけど、これからも逃がすつもりはない」

泣きそうな私に、最後は囁くように言いながら近づいて口づけた。




何か言わなくちゃと思ったのに、私には何も言わせずに自分の気がすむまで深くキスを続けた。

抱えられあげてベッドに寝かされたところで、目が合って同時にふきだすように笑う。



いいの?こういう時にこんなに楽しくていいの?

好き勝手に身体中にキスされて、目が合うと笑って、笑いあって優しく抱かれた。



こんなに自由に、愛し合うことができるなんて知らなくて、嬉しくて少し泣いて、光輝くんを少し心配させて、泣き笑いでまたキスをした。




「好き」

思わず小さな声が漏れたら、俺が先だよ、と聞こえてまた笑った。
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